ゲーム実況と著作権

・目次

1.ゲームと著作権

2.ゲーム実況は「公衆送信権」の侵害

3.ゲーム実況とマーケティング

 

 YouTubeといった動画投稿サイトで、ゲーム実況はとても人気です。

 一方、ゲーム実況動画をアップロードすると、著作権を侵害・著作権法に違反しないのでしょうか。

 そこで、今回は、ゲーム実況と著作権との関係について紹介していきたいと思います。

 

1.ゲームと著作権

 著作権法には、著作物の例示として、「小説」・「音楽」・「映画」のように、いくつか具体例を示しています。その中で、ゲームは、「映画の著作物(著10条1項7号)」にあたります。

 なお、ゲームのキャラクターは「美術の著作物(著10条1項4号)」、ゲームのプログラムは「プログラムの著作物(著10条1項9号)」にあたります。

 

※著作物・著作権法の詳細については、著作権情報センター(CRIC)のサイトをどうぞ。

www.cric.or.jp

www.cric.or.jp

 

 

2.ゲーム実況は「公衆送信権」の侵害

 著作権の中には、著作財産権という権利があって、また、この著作財産権の中には、「公衆送信権」といった権利があります。

 

 「公衆送信権」とは、著作者は、著作物をインターネット・テレビ・ラジオなどによって不特定多数の者に発信することができるという権利です(著22条の2)。

 

 ゲーム実況動画を著作者に無断でアップロードした場合、著作財産権の「公衆送信権」の侵害にあたり、著作権侵害となる場合があります。NO MORE 映画泥棒の映画の違法アップロードと同じです。

 

3.ゲーム実況とマーケティング

 一方、ゲーム実況動画が、YouTubeといった動画投稿サイトにアップロードされ、不特定多数の者に再生されると、ゲーム会社はコストを掛けることなく、大きなマーケティング効果を得ることができます。

 そのため、ゲーム実況動画をゲームのプロモーションに利用しようとするゲーム会社が多くなってきており、所定の条件を満たせば、ゲーム実況動画を著作権侵害とならずにアップロードできるようになりました。

 

(1)任天堂のゲーム

 任天堂のゲームのゲーム実況動画をYouTubeといった動画投稿サイトにアップロードすることに対して、所定のガイドラインに従う限り、著作権侵害を主張しないことを公表しています。

www.nintendo.co.jp

 

(2)プレイステーション4のシェア機能

 プレイステーション4には、プレイ動画の録画・YouTubeなどの動画投稿サイトにアップロードできる機能が備えられています。

 このシェア機能を使い、YouTubeなどの動画投稿サイトにアップロードすることを許諾しています。

www.jp.playstation.com

注:シェア機能が使えない「録画禁止区域」の動画をほかのツールで撮影し、アップロードすると、著作権侵害となる場合があります。

 

 著作権は他の知的財産権と比べ、身近なものだと思います。

 今や、著作権法は、小学生でも知っている法律です。著作権侵害とならないようにしっかり勉強しましょう。